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あと6日

三色布(パーサムスィー)

2020年3月10日 カラスの親指 はコメントを受け付けていません。 Views: 94 book, Diary

カラスの親指

スピード感のある小説。ものすごい勢いでのめり込む。障害物競争で現在1位。ゴール間近に表れた飴玉探し。小麦粉が顔につくことなど1mmも気にしない。それくらいにのめり込んでいく。

ざっくりとまとめるとヒューマンドラマです。カラス(詐欺)が、復讐をするという内容。そこに見え隠れする名言と、「あっ、そんな展開」という心地いい展開が待っている。

残り20ページからがすごかった。たった1文で景色がガラリと変わり、今までの話がひっくり返っていく。それはまるでドミノ倒しのように、パパパと。あ、ということはあの時は、とか、そうするとこれはこの意味だったのか、とか。

もう、「心地いい」の一言しかない。

途中、何度か詐欺のシーンが登場するんですが、これって本当にまねしたらできちゃうんじゃ?と本気で疑うような内容が多い。へー、そんな方法でと思いながら読み進める。とはいっても詐欺師は噺家と同じで、だれがやってもうまくいくわけではない。噺家かどうでもいい日常の出来事を面白おかしく話すことで芸術に高めているわけで、詐欺も同じく、だれがやっても成立するわけではないということも、この本を通してなんとなくわかる。同じレシピで料理を作るのに、涙が出るほどにおいしいものと、涙が出るほどに不味いものが出来上がるように。

ココロに刻まれたのは「人は見た目が7割」という言葉。TPOをわきまえた服装をすれば信用される度合いが高くなる。確かに。お葬式で袈裟を来た詐欺師を疑うひとは皆無だろうし、かわいい女の子が助けを求めてきたら応じる男は多いだろう。人は既成概念にとらわれている。そこを突いてくる詐欺師。この能力を他で生かせば財を築けるだろうに。何度も繰り返されるフレーズだろうが、彼らは詐欺を行うということでしたか能力を発揮することはできないのも事実。ものすごい技術であるし、天性のものなのだろう。いわば天才。

って詐欺師はほめたたえるわけではないが、詐欺師も人間であることは変わらず。いろいろな人がいる。そんな当たり前のことに気が付かせてくれる。悪いことをしているのはしているが、しょうがない事情があったり、過去があり、現在も何かを背負っているとか。とにかく人間臭くていい。

スピード感はとにかくある小説で、本書の読後に他書を読むと遅くてイライラするくらい。心地いいスピードはあえて忙しい人に読んでもらいたい。読書の時間が取れない忙しいひと。昨年は1冊も小説を読まなかった人で、昔は小説に没頭したことがある、そんなひと。忙しいのに、本を読む時間など取れないのに、睡眠時間を削ってまで読んでしまう楽しさ。これを味わってほしい。悪魔のように甘くて、体を蝕んでいく。でも心地いい。そんなひとときが読後にまっている。

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