つむぐ食堂/狛江

週末と月・金しかランチ営業していません。要注意。近くのお仲間で利用することが多い場所なのか、大人数での利用が多そう。ふらっとランチにと予約なしで訪れると「売り切れ」ということになりかねないので、いくと決めたらまず電話で予約するべし。なんといっても狛江駅からも喜多見駅からも徒歩15分くらい。この距離を歩いて、ランチにありつけないのは悲しすぎる。。。だから予約ね、予約。

自宅を改装したのかな?駐輪場のすぐ隣には玄関があり、表札はふたつ。ここが入口ではないだろうと思いながら壁伝いに歩いていくと「つむぐ食堂」の看板が現れます。やっぱりさっきの場所が入口ではなかった。間違えて入らなくてよかった。入口の階段を上っていくと温室のようなエントランス。ガラス戸を引いて中に入ると靴を脱いで下駄箱に靴を入れます。下駄箱はよくある扉なしの棚ではなく、おしゃれな扉がある下駄箱。どこに入れようか、開いてみるといっぱい。じゃぁ、次のセクションへ。いっぱい。残念。隣は、空いてた。一番下。こっそりと置きます。

入店。スリッパはなく靴下で。素足のひとは冬は寒いかもね。店内はテーブル席が3つくらいで正面に大きな10人がけのものがあり、左に個室のようになっている。そちらにもテーブルがある。手前は2人がけのテーブル。それが3つくらいあって、右奥にキッチン。キッチンの正面に壁向きのカウンター席がある。下北沢にあった「チクテ」にもこんな「反省部屋」みたいな席があったことを思い出して、懐かしくてその席に座ることに。

内装は凝った造りで快適な空間。なのに、壁を向いて座る。このギャップがいいのかどうなのか。自分と向かい合うふりをして仕事のことを考えたり、スマホを見たりと自分と向き合うことに慣れていない自分が露呈する。手に負えない。やっぱり入口近くにあった2人掛けテーブルに座ればよかったかなと悩み始める。今更、席は代えられないことはわかっているのにね。

ランチは日替わりとグラタンランチがある。電話で予約したときには残り一つで、日替わりを指定したんだけど、店員さんはどちらも選べますとのこと。たぶん、ある程度小鉢類が共通で、ご飯がグラタンになるのかなぁ。それに気が付かず、2つ用意できると勘違いしたボクは家で待っている妻のために1つお弁当にしてもらうと答えるも「御弁当は終わってしまって」と電話の内容と同じことを言われてしまって、そうそう、そうだったじゃないかと再び反省する。残りはひとつだったんだよと。

注文が入ってから春巻きを揚げている。当たり前なのに、こんなことに驚いてちょっと感動してしまう自分が情けないなと思う。外食だもの、スペシャルな時間を過ごしたい。そう思ってワクワクすることが当たり前でなくては。外食でも時短っていうのが暗に求められているのだな、自分の中に浸透しきっているのだなと思う瞬間でした。料理はどれもこれもが丁寧に作られていて、食器屋さんだから食器はもちろん素晴らしいのだけれど、食器の魅力が薄まるほどに器に乗っている料理がどれもキラキラと輝いている。どれもこれもおいしそう。

まずは春巻きから。タラとキャベツの春巻き。ぎっしり詰まっていて、春巻きの皮がはじけそうなのに、箸で持つと軽い。サウザンドレッシングみたいなソースに付けて食べるとサクッと軽い口当たりでとにかく軽い。中に入っているタラも、しっかりと火入れがされて柔らかいキャベツもふわっとして主張がなくって羽毛みたい。そのときに、思ったんですよ。あー、これは羽毛枕みたいだなーって。軽くてぎっしりと詰まっていて優しい感じ。ずしっと脂の存在感があって、箸で持つと重量感があって、具の主張もすごくて。そんな春巻きとは対極にある春巻き。木漏れ日でまどろんでいて、ああ、昼寝しちゃってたんだという、そんな軽くて爽やかな午後のひとときのよう。

けんちん汁も感動したな。食材が適度に薄く、食感がないかというとそんなこともなく。味が染みていて大根は透けているのにいろんな味が染み込んでいるし、何かの象形文字が掘られたようにも見えるのはごぼうで、斜めにスライスするのではなく真円に近いようになっているのが新鮮。こんな風に薄くスライスしても存在感はあり、かといって、オーソドックスなけんちん汁のように、おー、キミ、ごぼうだな。なかまで柔らかくなっている。という出会いはないが、この薄さも嫌いではない。

一つ一つはとても丁寧に作られていて、食材を大切にしているし、味付けも薄めだけど出汁が利いていて心温まる食事でした。食事の後半には「そうだよな、ボクもしっかり料理を作らなきゃな」と思わせてくれる食事でした。

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